|
2009/11/17 21:28
「感想その1」では連載前の読み切りの部分の感想を書きましたので、今回は本編の方の感想を書きましょう。
大いにネタバレしていきますのでよろしく。
第18話 連帯責任
17話「散髪A」で髪を切ったザワさんに対する周りの反応。
後輩に詰め寄ってしまうくらい衝撃的なわけです。
ザワさんはあまり気にしてないのですが、まわりの男子部員にとってザワさんは特殊な存在であることがこの巻の各話で明らかになっていきます。
体育会系特有の後輩への暴力的スキンシップを描いていますね。
理不尽な理由で攻められる後輩は可哀そうですが、先輩になってから同じことを繰り返すので実は可哀そうではありません。
体育会系のこうゆうノリ。嫌ですねぇw
そうゆう男のしがらみと関係ないところでしかも女性のしがらみにとらわれるわけでもなくマイペースに生きているところにザワさんの魅力があるんでしょうね。
ザワさんの「匂い」に思わずテンションが上がってしまう男子部員たちがなんとも微笑ましいですね。
高校生男子の性ですね。
第19話 12月24日
クリスマスも練習に明け暮れる野球部の帰り道。
守口はザワさんに気がありますね。
狙ってますね。
しかし、フライドチキンを口で引っ張るザワさんを見て思わず「昔飼ってたルドルフォに似てる…」と思ってしまうのです。
フライドチキンを口で引っ張るザワさんの首から顎にかけてのラインがなんとも言えぬフェチズムを醸し出しているわけですね。
顎に力の入っている感じがいいですね。
間抜けなザワさんの行動と守口の下心の対象的な二人の状況がシュールな空間を作り出していました。
第20話 1月1日@
彼女と初詣に出かけるとザワさんに出会う花村。
自分の身体を鍛えることにどこまでもストイックなザワさんと彼女を作って遊んでしまっている花村。
彼女に痛いところを突かれて返すことが出来ない花村。
花村は1巻でも自分のふまじめな態度が原因で練習試合に出れず、代わりにザワさんが出るということがありましたね。
冬になっても彼は変われずに彼女を作って遊んでいるところを自主練中ザワさんと出会ってしまい彼女にも格好悪いところを見せてしまったわけですね。
この話のザワさんフェチポイントは「厳しい目つき」でしょうかね。
普段ぽんやりしているザワさんの目つきが試合中や練習中にやたらと険しい目つきになることがあります。
普段見せない一面はフェチポイント高し!
第21話 1月1日A
楠木の家にザワさんからの年賀状が届く。
楠木は普段野球部で見せているクールなキャラとは違い、母親に対してはあからさまに反抗期的態度を見せていて情けなくって面白いですね。
また楠木の母親が楠木と同じ顔をしていてまた可笑しいですね。
「花村とか死ねばいいのに…」という楠木の独白がリアルですね。
前の話で彼女とイチャイチャしている遊び人花村とザワさんに恋する楠木。
今まで野球一筋で生きてきたであろう楠木にとって他の世界へかまけて野球をおろそかにしている花村は羨ましくも許せない存在なんでしょうね。
この話のザワさんフェチポイントは「達筆だけど味気ない年賀状」と「その匂い」でしょうかね。
礼儀正しいのだけれど、それは本当に形式的な新年のあいさつで、その実は一斉送信される年賀メールと対して変わらないというところがまた面白いですね。
匂いを嗅ぐ楠木もフェチの世界へ浸かっていていいですね。きっとそこにザワさんの匂いはないのだけれど、匂いは嗅ぐのではなく感じるのです。「これはザワさんが書いた年賀状だ」と思えばこそそこにザワさんの匂いを感じることが出来るわけです。
かなりハイレベルな戦いが繰り広げられていますねw
第22話 サッカー部
サッカー部から見ると女子部員が一人だけいる野球部の練習風景は異様に映る様です。
まぁ当然の反応ですね。
それに対して「そんなことない」と憤る守口と楠木。
ただ、二人は人一倍意識しているんです。「意識しないように」と意識してるんです。
それが「牛乳飲んでる。」なんです。
他の野球部員はある程度ザワさんが「女子部員」であることは意識していて、それをザワさんに対して表したりもしているんです。それが読み切り版第3話「天高くハム肥ゆる10月」なんですね。
ただ、連載版ではそこはあえて描かずにザワさんを他の男子部員とは違った意味で「意識」している守口と楠木にスポットを当てているわけですね。
「牛乳」もフェチポイントが微妙に上がるポイントになっているのでしょう。
このあたりは読み切り版第4話「11月は良質なタンパク質」のプロテインネタとつながっているんでしょうねw
第23話 オフシーズン
ザワさんの女性であるが故の体力的な弱点を提示しつつ、あきらめないザワさんの闘志とそれを認める周りの部員たちの関係を描きだしていました。
カッコいいザワさんをいいですね。
ザワさんは身体鍛えるのが好きなんですね。そして高みを目指したいんですね。それは「男に負けたくない」というような薄っぺらいジャンダー論ではなく、ただただひたむきに自分の限界へ挑戦するザワさんの不屈の闘志なんでしょう。
それをまわりの部員たちもわかっているからそれに付き合うわけですね。
いい話ですね。青春ですね。
ここではザワさんと他の部員たちとの良好な関係が描かれていて清々しい気持ちになりますね。
ここは若干泣くところだと思いますw
第24話 プロテイン
いい話の後にこれかよ〜って感じですが、そこがいいw
プロテインの話題になると途端にテンションが上がるザワさん。
しかし、テレビの話題になると途端に無口に…
自分の身体を鍛えること以外にはあまり興味がないようです。
そして、プロテインをクラスの女子に取られて若干ご機嫌斜めなザワさん。
「いや、怒ってないっす」と野球部口調で言うザワさんがよいですね。
始めの「マジッソヨ!」の時のテンションとの落差がよいですね。
そして、アングルを固定したコマの運びが淡々とした日常を感じさせる表現になっていてよいですね。
ここでプロテインを飲んで「マズイ」と言っている女子は恐らく読み切り版第5話「12月・都沢さん」でザワさんにメアドをきいていた「浅井はるか」でしょうね。
ザワさんに近づきたくてプロテインに興味を示して飲んでみたものの素直な感想がザワさんの反感を買ってしまい仲が進展することはなかった。みたいな感じでしょうかね。
独特なルールで生きているザワさんと仲良くなるのは普通の女子には相当難しいことでしょうね。
だが、そこがいい。
第25話 イチロー
更衣室で着替えている最中にコーチに呼ばれたザワさん。ユニフォームの下にはく下着(スパッツ状のもの)のまま外へ出てコーチから指導を受けるザワさん。
「そうゆうとこ緩い」と女子マネージャー達に指摘されるザワさん。
「自主トレ中のイチローみたいでいんじゃない?」という女子マネージャーのひとり。
そう。いいんです!
そうゆう細かいところ気にしないザワさんがいいんですよ。
そして、そうゆう緩い部分を「えっ、それでいいの?」ってちょっと心配しちゃうまわりのドキドキ感がいいんですよw
「自主トレ中のイチロー」の様なザワさんのストイックなところも魅力ですよね。
女子マネージャー達の「ぼやき」を話の最初に持ってくることによって、ザワさんのストイックな部分との対比をつけて強調してるんわけです。
上手いですね。
コーチの話を始め真面目に聞いていたザワさんが途中で笑顔になる場面なんかもいいですね。
ザワさんはコーチと野球の話をするのが楽しいんでしょうね。
ホントに野球が好きなんだなぁということがにじみ出てくる場面ですね。
第26話 早朝
始発近い早朝の電車に乗る人間には二通りいる。
「これから帰る人間」と「これから出かける人間」だ。
飲み会明けの遊び人な男が野球部員たちの姿を見つける。
野球部員たちは無言のまま、今日も練習に出かけていく。
男には一緒に目標に向かって突き進む様な仲間はいない。
彼のまわりにいるのは「友達」という名前のついた一時の寂しさを紛らわすための関係しかない人たちのみである。
野球部員たちは一つの目標に向かって共に闘う「仲間」。
その中にはザワさんもいます。
この話では主観となっている男が一切ザワさんに振れません。
ザワさんに注目しないんです。
「ひとりだけ女の子がいるぞ」とか
「マネージャーかな?」とか
そうゆう事は思っていないんです。
男にはザワさんも野球部員たちの一員として認識されていて、唯一の女子部員であるということでザワさんの存在が目立つことがないんです。
完璧に野球部に溶け込んで「仲間」の中に同化したザワさんがここでは描かれているのです。
さわやかな青春とは縁遠いすさんだ毎日を送っている男と青春を謳歌する高校球児たちとの対比を描きながら、高校球児サイドにザワさんはすっかり溶け込んでいるという現象を作り出す。
実はこの話で描きたいのは「ザワさんはまぎれもなく高校球児である!」ということだと思うんですよ。
話の表で起きている事実を使ってその裏に現れる現象を作り出す。
よく出来た話だなぁと思いました。
第27話 日践商業
野球好きなおじさんっていますよね。
しかも高校野球がやたら好きなおじさん。
練習を見ているのが好きなおじさん。
人生の敗北者って感じがしますね。
ここに出てくるおじさんはどっかの会社のお偉いさんだとかいう事が言われていますが、他人に夢を託してそれを応援して満足しているような人はろくなもんじゃねぇと思います。
そんなおじさんにザワさんは捕まって長話を聞かされる羽目になってしまいます。
おじさんは日践野球部の昔話を語り始めます。
このおじさんはずいぶん昔から日践商業(現日践学院)の野球部を見てきたようです。
「時代は変わったなぁ」とおじさんは言っています。
そうなんです。時代は流れ続けているのです。
おじさんが高校球児たちを応援している間にも。
第28話 古文
野球部はユニフォームの上に制服を着ます。
全国どこの高校でもそうなんでしょうか?
わたくしの通っていた高校の弱小野球部もそうでした。
しかし、強い野球部はちょっとちがう。ということなんでしょうね。
顧問の授業のときはきちんと制服に着替えて授業を受けるようです。
このあたりけじめがあるんだかないんだか微妙なところですが、なんとなく気持ちはわかりますよね。
「大事な一線は守る」という点ではこれが日践学院野球部の「けじめ」なんでしょうね。
なんちゃって合理主義化が進んだ現代日本ではこうゆう「非効率」な決まりの守り方は忌み嫌われる傾向にあるように感じますが、こうゆう「けじめ」というのはとても大切なことだと思います。
そうゆうところが守れる連中でなければきっと強いチームになることは出来ないんでしょうね。
その辺を日常素描の中に潜ませるテクニックは流石ですね。
第29話 ハスキー
楠木のフェチ合戦再開。
楠木は「ザワさんの低くてハスキーな声フェチ」でもあるようです。
相変わらず母親に遅れてきた反抗期をぶつけつつ留守番電話を何回も繰り返し聴いてしまいます。
ザワさんの用件だけを伝える男性的な留守番電話と電話を切る「ブチッ」という容赦ない音とがザワさんの楠木に対する気持ちを端的に表しているにも関わらず、楠木は幾度となくザワさんの声を聞き返してしまうのでした。
哀愁漂う一話でしたね。
第30話 チームメイト
これまた体育会系なノリの一話ですね。
何やら怒られているザワさん、守口、花村。
理由が一切説明されないのがいいですね。
きっと大した理由じゃないんでしょう。
体育会系のノリの中において怒られる理由などいらないのです。
「怒られている」という状況だけが必要なのです。
ここで描きたいのは監督がザワさんに対して何の遠慮もなく他の部員と同じように扱っているという点。
そして、ザワさんはそれを受け入れているという点だけなのでしょう。
そこを描くために徹底的に無駄を省いているところはすごいですね。
ここまで説明を行わない不親切さには脱帽ですね。
第31話 長谷さん
先輩キャッチャーの長谷さん。
練習中に守口に何やら耳打ち。
しかし、首をかしげる守口。
再度守口に耳打ちする長谷さん。
やっぱりわからない守口。
今度は守口に「いつもと塩梅が違う」と耳打ち。
「えっ、ホントにノーブラなんすか?」と声を出してしまい怒られる守口。
長谷さんは真面目な顔してザワさんの胸ばかり観ていたのでしたチャンチャン。
いつもの練習風景を淡々と描写しながらそこへエロネタを仕込んでくるという離れ業。流石ですね。
長谷さんがずっと真面目な顔で守口に話しかけ、守口も真剣に練習に取り組んでいる様子を描きつつ頭の中はザワさんの胸のことで一杯というギャップがなんとも可笑しいですね。
始めは普通に、二回目はちょっと眉間にしわを寄せてと段階を踏んで事実確認をしようと奮闘する守口の目の表情の付け方は芸が細かいですね。
そして、自分からけしかけておいて守口が怒られているときには知らん顔な長谷さんがまた可笑しいw
これは長谷さんの陰謀なのかもしれませんね。
第32話 白いの
女子トイレでザワさんは花村の彼女に会う。
ブレザーを着ていることに関して「白いの着ようよ」と言われて「汚れるから嫌」と言うザワさん。
ただ、野球部のユニフォームも白いんですよね。
そこを指摘されると反論できないザワさん。ただ「野球で使うものは別」と考えているんでしょうね。
そして、ナプキンを分けてくれと言われて「夜用だから嫌」と断るザワさん。
この辺のネタは女性作家でないと出てこないネタなんだろうなぁと思いますね。
花村の彼女は「ああ言えばこう言うタイプ」の女性の様ですね。
人の揚げ足ばっかり取っている女性っていますよね。嫌ですね。人には触れられたくないところってものあるんです。
察してあげる優しさが必要ですね。
ブレザーのことを指摘する際に花村の彼女が「それ着てるの都沢さんとオタクっぽい女子だけだよ」というセリフを吐いているんですが、「オタクっぽい女子」という部分で個人的にはザワさんの株が一気に上がりましたねw
このへんはわかって頂けないかもしれませんが、わかって頂ける方も必ずやいらっしゃると確信しております。
いわゆる「腐女子萌え」ってヤツですね。
制服をちゃんと着ている生徒にはオタクが多いと思われます。
女子生徒の中には自分がオタクであることを隠すためにわざと崩した着こなしをしてる者もいることでしょう。
そんな中にあって自らを「オタクである」と公言するような行為を堂々と行っている誇り高き腐女子に激しい萌えを抱いてしまうわたくしなのであります。
これは一種の反骨精神なのだろうと思います。
世の中の主流は「だらしない着こなし」なんですから。
そのような流行りに流されず自分の価値観で行動できる人間はよいなと思うわけです。
ザワさんが夜用の高いナプキンしか持っていないのは夜用だけ大量に買い置きしているからだと勝手に解釈しているわたくしでございます。
ケチではなく合理的なのです。きっとそうですw
総評。
1巻に比べると男子部員キャラの守口、楠木、花村の登場が増え、守口と楠木のザワさんに対する想いをほのめかす回が増えた印象ですね。
1巻のひたすらザワさんのフェチへ走っていたころよりは読みやすく、笑いどころもあったので一般層にも読みやすい方向へシフトしている様に感じました。
ただ、巧妙な手法の数々は健在で深読みしようと思えばいろいろな読み方が出来る「奥行き」も持ち合わせていて素晴らしいなと思いました。
高校生特有の「若さは馬鹿さ」な展開で可笑しくも懐かしく、切ない想いを呼び起こすような描写もあってよかったですね。
3巻が楽しみですwww
あぁ…
マンガのレビューはやっぱり長くなってしまいますね。
最後まで読んでくれた方は本当にありがとうございました。
そして、お疲れ様。
 にほんブログ村

http://www.trackbackcenter.com/cgi-bin/receive.cgi
|